旧ブログより(2012年06月03日記入)
などと、大層なタイトルをつけてしまったが、
学者や評論家じゃないので、難しいことは書けません。
一介のCD屋(制作も少ししてるけど・・・)がちょっと思ったレベルということで
読んでもらえれば、うれしいです。
今、世界でCD売上が一番あるのは日本だそうです。
アメリカや欧州は音楽配信のせいでCD屋さんが町から消えたそうです。
では、音楽配信が伸びているのか、というと頭打ち。
日本では昨年は前年比マイナスでした。
じゃあ、音楽が町から消えたのか?
違いますよね。町で耳にイヤホンつけながら、
携帯電話をピコピコしている人がどれほど多いか?
若者だけじゃありません。スーツを着た30代ぐらいの方もよく見かけます。
京都はもともと学生の町といわれてましたから、ライヴハウスが多いです。
磔磔、拾得みたいな老舗から、MUSE、Vox-Hall、メトロなどの有名店、
さらに新風館などの野外イベント会場まで、多種あります。
時折、ライヴハウス会場の即売を請け負うのですが、けっこう賑わっています。
ただ・・・・・・
小生たちのころと異なる傾向がいくつかあります。
その1つは、客層が若い時に多いのですが、
みんな音楽は聴いてないんじゃないかと思うこと。
オールスタンディングで2~3時間、手拍子したり、首振ったり・・・。
曲の方もスローやメロウな曲は一切なく、ガンガンいってます。
ヴォーカルも結構声が出ています。
が、まったく歌詞が残らない。
MCでも「京都! ついてこーい! 京都! ついてこーい!」と
連呼しているのですが、意味がわからない。
音楽を楽しんでいるのではなく、ライヴハウスで集まる一体感を
みんな、味わっている。楽しんでいる。
つまり、音楽はBGMなんだと・・・。
メインディッシュは音楽ではなく、みんなと共にいるということなんだと・・・。
これは・・・と思うわけです。
もともとCDは、音楽を楽しむための商品です。音楽だけ。
付いているライナーノーツも、
本来は音楽を楽しんで聞いてもらうための道標にすぎません。
レコードの溝が無くなるほど、
1曲を聴き込むという文化は過去のものになりつつあるようです。
誤解がないように言えば、このような音楽の楽しみ方を否定する気は毛頭ありません。
これはこれでいいんです。
ただ怖いのは、兎角商業主義に流れる日本の音楽シーンでは、
時勢に合った音楽、つまり現状だとBGM的な音楽ばかりが生まれるのではないかという危惧。
メッセージ性が強く、ハートを揺さぶるような音楽が生まれにくくなっているのではないか、
と思うわけです。
昔、あるアメリカの有名なジャズアーティストが自作のライナーノーツ執筆を依頼され、
「(言葉では表現できないから)俺の音楽を聴いてくれ」と言われたそうです。
1つの曲や1つの言葉から相手の心や思いを読み取ることは難しいし、
誤解も生じますが、心の奥底でアーティストと繋がりあうというのはそういうことじゃないかと・・・
古い時代の男としてはそんなことを思っています。
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