水爆と深海の怪物 なかなかどした

旧ブログより(2006年01月14日記入)

午前2時どす……
目が冴えて寝れまへん……

なんでや!

ってことで、もう1作レビュー書いとこっ!

レイ・ハリーハウゼン 特撮作品の中から、
『水爆と深海の怪物』

チープなタイトルじゃあぁー
たぶん原題やったらカッコええかと思うでっしゃろ???
原題↓↓
IT CAME BENEATH THE SEA ⇒ (直訳!)深海から来た奴




そのままやんけ……

が!
この映画、実は非常に歴史的価値の高い作品でございまする。
かの特撮の父 レイ・ハリーハウゼンが盟友となるプロデユーサー、
チャールズ・H・シニアと初めてともに仕事をした作品なのです。
この二人は最高傑作「アルゴ探検隊」まで何作も名作を生み続けることになります。
日本では特撮の父といえば円谷英二氏ですが、世界的にはレイ・ハリーハウゼンは欠かせません。
スターウォーズのジョージ・ルーカスやE.T.のスピルバーグは、
まさにこのハリーハウゼンにより特撮の面白さを知らされ、
黒澤明によってストーリー展開の面白さを伝えられたと自身も語っているそうです。

さて、この作品は1955年製作、戦後10年目に作られたモノクロ映画です。

海底に潜んでいた巨大な大蛸が、水爆実験の影響で凶暴化し、
さらに餌を求めて人間の領域に攻め込んできます。
サンフランシスコに上陸した大蛸は金門橋をへし折り、
人間を襲い始めた大蛸に対し、アメリカ合衆国は、
新鋭の原子力潜水艦で立ち向かいます。果たして大蛸を撃退し、
たらふくタコ焼きを食べることができるのか!

って、なんか似てると思いまへんか……そうどす……
初代ゴジラどす。
このときの水爆実験がいかに大きな衝撃を与えたか、
当時まだ生まれていなかった私にも感じられます。
この『深海の怪物』の中でも大蛸は日本の脇を通ってサンフランシスコに到達します。
日本はなんて怪獣に攻められやすい場所なんでしょう……

作品は当時としても、ずいぶん低予算で作られたようですが、
ハリーハウゼン苦心のアニメ技法と、俳優たちの名演で
なかなか見ごたえのある特撮シーンが展開されます。
もちろんSFXを駆使し、コンピュータCGIを用いた現代の特殊撮影には、
技術的に比べるべくもないのですが、
不必要にSFXを多用した愚作や、
大根どころか牛蒡にもなれない下手な演技を堂々と商品化している作品などと比べると、
明らかに作品としての完成度は高いように感じられます。

 個人的な意見ですが、特撮技術は、映画の面白さを飛躍的にUPするし、
 迫真性を高めたりもするが、
 映画そのものの感動には直接関係ないのではないかと思います。
 やはり、練りこまれた脚本と、魅力的な俳優のすばらしい演技があって、
 それを補ったり、効果を高めたりする特撮であってほしいと思う今日この頃どす。

この作品で個人的に「おっ!」と思ったのはヒロイン役。
フェース・ドマーグどす。そんなきれいな女優さんでもないし、
調べてみたら、あんまり代表作もないみたいなのですが、
ちょっと魅力的どした
気の強い生物学者の役でして、ややはっきりしない表情をすることが多いのですが、
かえって研究一筋で恋に不器用なレズリー役にあっていた気がします。
ただストーリーの中で、貨物船の生き残りから
色仕掛けで真実を聞き出すところ、非常にドマーグが魅力的で、
お気に入りのシーンどすが、男慣れしてない女性科学者が、
「私の出番ね!」と突然ツカツカ押し出てきて、
テキパキ支持した上で、タバコをくゆらせながら、質問する



それはむり!!!!!

ストーリーもお決まりやし、
キャラクターもよくあるパターンという部分はありますが
娯楽映画として、十二分に楽しませてくれる一品どした。