永倉新八の生き方

旧ブログより(2011年04月29日記入)

NHK『真田太平記』を見てまして、
滝川三九郎(滝川一益の孫。妻は真田信之、幸村の異母妹)に興味がでたんで、
彼が主人公の小説『男の紋章(池波正太郎)』を購入したわけです。

読んでると短編小説でして、パッと永倉新八の小説が目に入り申した。
池波先生は江戸っ子気質の人ですんで、
滝川三九郎や永倉新八のようなカラッとしたさわやさかさのある人物がお好みで、
永倉さんは、『幕末新撰組』でしたっけ、池波先生の代表作の主人公にもなってはります。

この人、「一に永倉、二に沖田、三に斉藤」といわれた、神道無念流の剣豪です。
江戸滞在時に多摩の天然理心流道場でたむろしていた関係で、近藤、土方らのグループだったのですが、
芹沢鴨などとも親しかったようです。
近藤勇や土方歳三が新撰組の実験を握ってから後も、同志という姿勢は崩さず、
毅然とした態度をとられています。
鳥羽伏見の戦いのあと、意見の違いから近藤たちと袂を分かちますが、
その後、永倉さんの前で近藤さんたちの悪口を言った人を、こっぴどく叱りつけたといいます。
意見は違っても、行く道は違っても、懸命に時代を生き抜こうとしたかっての友を認めていたのだと思います。
近頃はこんな永倉さんや滝川三九郎のような、
自分の生き様に誇りをもって、生きる人が少なくなっているのかもしれません。

世の中のほとんどのことは100%正しいとか、間違っているとかないですよね。
片方に6割の言い分があれば、もう片方に4割の言い分がある、そんなもんです。
それでも決断しなきゃいけないなら、軸になるのは、自分は何を一番大切にするのか、なんですよね。
永倉新八や滝川三九郎はその軸になる何かをしっかり持っていた人だったのかもしれません。
自分はどうかなぁ、と思うと恥ずかしくなる今日この頃です。