弊店は京都中央卸売市場のほぼねきにある(ねきは近く、側という意味。関西弁???)。
コロナの少し前あたりから京都では民泊やホテルが乱立。今では大型ホテルが中央市場周辺に4軒もできている。
そのせいか、夜には外人客がよく来店される。
ご存知のとおり、CDやDVDは世界的には退潮で、「見てるだけ~♪」というお客さんも多いが、それでもレコードやシティポップ系のCDを購入してくださる方も少なくない。
本日お越しのお客さま。実直そうで少し日本語を話せる若者とその彼女。
このお嬢さんがとてもかわいらしい。美人なのだが、変な気どりがなく、すごく感じのいい方だ。
しばらく店内をご覧になっていたが、宇多田ヒカルの『First Love』のアナログ盤(レコード/Vinyl)をお買い上げいただいた。
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弊店では現在、宇多田さんのアナログアルバムは4種類在庫しているが、圧倒的にこのデビューアルバムが売れている。顔のドアップというジャケはインパクト抜群のようだ。収録曲も聴きあきない曲ばかりだ。
その時手元にあったレコード用の袋は小脇に抱えるタイプのビニール袋だった。
まだレコードが主流だった時代にメーカーから戴いた袋だが、けっこう厚手だし、重みもある
(たぶん今、町で購入したらそれなりの値段はつくと思う)。
まだほんの少しだが手持ちがあるので、サービスのつもりでつけたのだが、持ちにくいのか、取っ手のある袋はないかとのこと。
「没有(ごめん。あらへん)」
と答えると、ニコッと笑って、「大丈夫、大丈夫」みたいな手ぶりをされていたが、ふと私が作業に使っていたハサミを発見!
「それ貸して」みたいな感じなのでお渡しすると、何と豪快にビニール袋の上部に穴をくりぬきはじめた。
「エェーッ!けっこう高いでその袋」
と一瞬思ったが、まぁお客さんにあげたもんやし、まっええかと思ってみていると、けっこう不器用。なんどか
「おれ、やろか?」と口に出しかけた。
会計を終えた彼氏さんも手伝おうとするのだが、これまた不器用。
「それはかえって作業しにくい!」と言いたくなるフォローをしている。
そんなこんなで穴が開いて、ニコニコ手を振りながら帰って行かれた。
・・・
レコード袋を小脇に抱えて・・・!?!?
「なんやったんや、あの穴あけの時間は・・・」
でも、ほんま気持ちのいいカップルでした。
お買い上げありがとうございます。