ちひろさん 金子みすゞアンバサダー就任

歌手ちひろ、金子みすゞアンバサダー就任! CD/DVD/BDなどの紹介
歌手ちひろ、金子みすゞアンバサダー就任!
ちひろが歌う金子みすずの詩/CD

ちひろが歌う金子みすずの詩/CD

前にこのブログでも紹介した山口の歌手・ちひろさんが、長門市公認『金子みすゞアンバサダー』を任命されました。

アンバサダーとは大使や使節の意味です。
ちひろさんと彼女を支える皆さんは、10年以上前から金子みすゞさんの詩(うた)を多くの人に聴いてもらおうと日本だけでなく海外にまで公演活動を拡げておられました。
今、金子みすゞの詩は世界15か国の言葉に翻訳され、小学校の必修にもなっています。

金子みすゞは、1903年に今の長門市(当時は大津郡仙崎村)に生まれ、多くの童謡詩を発表。
西条八十をして『若き童謡詩人の中の巨星』と云われ、将来を嘱望されました。

 

みすゞさんの生家は熱心な真宗門徒で、彼女の詩の根底には、『いのちの尊さ』や『すべては関係しあって存在する』という仏教思想があると云われます。
彼女の詩『お仏壇』にこんな一節があります。
「忘れていても、仏さま、いつもみていてくださるの」
これは阿弥陀仏のみ光が、いつでも、どんな人にでも注がれ、私たちは必ず救われる、という教えに由来します。不思議なことにこの阿弥陀さまのお慈悲は、讃美歌405番の
「神ともにいまして ゆく道をまもり♪(以下略)」にも相通ずるものがあるようです。このような金子みすゞの心底が、彼女の優しく、奥行きのある、自然や生き物と深く共感する独特の詩を生み出したと私は思います。有名な『私と小鳥と鈴と』『大漁』を読んでみてください。
他者の痛みを自分の痛みとうけとめ、他者の喜ぶ顔で自分も幸せになってしまう無垢な心を感じます。

一方で金子みすゞはその純粋さ故に傷つき死を早めました。
彼女は26歳の若さでこの世を去ります。
彼女の苦しみや悩みは田中美里主演のドラマ『みすゞ』に詳しく綴られています。

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金子みすゞがあまりに早世だったためか、彼女の詩にはほとんど曲がつかないままでした。
矢野節夫氏の尽力で512編の遺稿が発見され、近年、多くのアーティストが作曲をされています。
好みもあり、印象も異なりますが、ちひろさんのバージョンはみすゞさんの心に寄り添ったものではないか、と感じます。
ちひろさんの祖父は京大教授で、電子顕微鏡学の世界的権威であった東昇先生です。
先生は科学の頂点を歩みつつ
「私の生の総決算はただ念仏である」という言葉を残されました。
ちひろさんとみすゞさんの心は同じ信心で繋がっている部分があるような気がします。

『正面の理、側面の情』という言葉がございます。
正しくあることはもちろん大事ですが、他者の痛みを感じ、悩んでしまう弱い人間に魅力を感じてしまうのは私だけではないような気がします。

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