2025.3.5のブログで紹介した『京都薪能』の演目が発表となった。
詳細は下記のとおりだ。
【 開催場所 】京都・平安神宮境内
【日時と演目】
▷ 6月1日(日) 18:00開演(17:00開場)
・観世流能 『橋弁慶』
・金剛流能 『胡蝶』
・大蔵流狂言『髭櫓』
・観世流能 『融 舞返し』
▷ 6月2日(月) 18:00開演(17:00開場)
・金剛流能 『嵐山』
・観世流能 『夕顔』
・大蔵流狂言『太刀奪』
・観世流能 『雷電』
【 鑑賞代金 】SS席 10,000円 S席 8,000円 A席 7,000円 B席 6,000円 自由席 4,000円(前売り券あるようです)
イヤホンガイド貸出料 1,000円
ストーリーがわからないと、もったいないので、イヤホンガイドを借りるのもいいかもしれませんね。
数年前に私が見に行った際は、茂山狂言会の方が会場で上演前に大きな声であらすじを教えてくださってました。
『融 -舞返し-』の舞返しは小書で、特殊な演出を意味します。
『融』は百人一首「陸奥のしのぶもぢずり誰ゆえに 乱れそめにしわれならなくに」の歌人・源融の霊が登場する物語です。
融が月下で昔を懐かしみ舞うシーン。
お囃子も一体となり、緊張感と美しさ極まった舞台を演出します。
恥ずかしながら私は見たことがないのですが、笛の音が凄くいいと聞きます。見に行く方はしっかり楽しんできてください。
(《参考》喜多流能『融』DVDはこちら)
『夕顔』は『源氏物語』の『第四帖・夕顔』を能楽に仕立てたものです。
この夕顔という女性、出てきてすぐに死んでしまうのですが、あまりにも儚すぎたゆえか、光源氏の心にいつまでも住みついた女性です。

夕顔の登場は四帖ですが、実は『第二帖・帚木』の『雨夜の品定め』に後々、「あぁ、あれは夕顔のことだったんだな」というシーンが出てきます。
雨の夜、光源氏は親友の頭中将らの男友達と「理想の女性」について語り合います。その際、頭中将が「いい女だったけど、どこかに行ってしまった」と残念がるシーンがあるのです。
頭中将の恋人だった夕顔は、中将の正妻の一族に苛められ、難を逃れて隠れ潜んだところで、光源氏に見初められ、恋に落ちる!という寸法です。
ところが程なく、光源氏と逢瀬を重ねるある夜、夕顔は六条御息所の生霊にとり殺されてしまいます。
でも、これで終わらぬのも夕顔。その何年も後、『第二十二帖・玉鬘』にて夕顔の娘・玉鬘が九州から都へ帰還。
夕顔との縁を大切に思う光源氏は彼女を養女にするのですが、母譲りの美貌と知性で多くの男を虜にし、またひと騒動巻き起こる、という感じです。
あっ!話が横道に大きくそれました。この能楽『夕顔』はこの短き悲恋を思い出し、その憐憫、愛執を語る夕顔の霊のお話しなのです。
下にチラシの表面、裏面を貼っておきます。興味のある方は是非どうぞ!
▷ DVD 京都薪能
▷ 能楽と謡(能楽DVD&BD / 謡曲+能囃子CD&MT / 謡い本)
▷ 紫式部『源氏物語』の歌舞(書籍+DVD)

京都薪能2025_1

京都薪能2025_2