樋口一葉：朗読ＣＤ〜小説・エッセイの朗読

　明治の女流作家 樋口一葉（戸籍名 奈津, 本名・歌人名 夏子）氏。
五千円札の肖像画にもなる有名な小説家だが、『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』といった代表作は、わずか１年半の間に発表されている。
　士族の中流家庭に生を受けた樋口一葉だが十代半ばの頃、家が没落、父も亡くなり、婚約が解消されてしまう。生活苦に陥った一葉だが、
針仕事や洗い張りなどの労働を蔑視していたため、生活の糧を得るために文筆活動に取り組んだという。
半井桃水、幸田露伴に師事した樋口一葉の作風は、井原西鶴を彷彿させる雅俗折衷の文体で、明治期の女性の立ち振る舞い、悲哀を描写し、森鴎外らからも高い評価を受けていた。
　しかし、当時流行していた肺結核のため24歳６ヶ月で亡くなる。日本の近代女流文学の花を開かせた近代日本を代表する女流作家であった。　樋口一葉が描く明治の女性の生活と心のうちを、朗読ＣＤでぜひお楽しみください。