近頃はヴァイナル=Vinyl なんていうが、
弊店でも少しばかりレコードが売れるようになった。
弊店は新品ばかりだが、強欲にならず定価販売をしている。
で、今、売れているのが宇多田ヒカルだ。
数年前に『First Love』などが発売された折は
盤が薄いのか、音飛びがすると悪評もたったが、
重量盤となり、お客さまの反応も上々だ。
レコードは「音がいい」と云うが
小生が思うに、その魅力は『間』かなと思っている。
● ジャケットを手に取り、少し眺めて、徐にレコードを引き出す。
● 丁寧に針を落とす。
● 音が鳴り出すまでに、ソファに座り、用意しておいた珈琲を一口飲む。
● 1曲、終わるとジャケットを裏返し、次の曲を確かめる。
● A面が終わると、B面に裏返し、また丁寧に針を落とす。
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レコードを聴くということは、
豊かな至福の時間を得ること、につながる。
時間を得る、時間を感じる、ことができるひとときなんだ。
現代は、始終携帯電話が鳴り、メールが着信する。
友人によると、Lineやショートメールが来れば
速やかに返信するのが「仕事ができる人」なのだという。
もちろん「後で連絡する」でもいいらしいがせわしないことだ。
本来、mailやLINEは受信者が受信者の都合で対応できるから
便利なわけで、すぐに対応を要求するものではない。
少し前の兵庫県の斉藤知事のパワハラ疑惑で
「夜中にメールが来るのはパワハラだ!」と某議員さんが激高されていたが、
私だって、夜中に思いついたことや仕事の連絡を取引先やスタッフに連絡することはある。
もちろん、すぐに対応しろとは言わない。
自分が年で忘れてしまうからだ。
時間を作る、時間を愉しむ、
ぼくらはもう一度、その大切さを見返してもいいような気がする。
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先着特典ポストカード
<参考>
▷ 宇多田ヒカル・レコード『初恋』
▷ アナログ・コーナー