旧ブログより(2006年11月28日記入)
本日のオススメ!
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Gメン’75 (DVD全12巻/分売可能)
ご存知、霊界に旅立たれた丹波哲郎さんはじめ、
若林豪らが活躍した刑事ドラマの名作です。
本日は『Gメン’75』の傑作の中から、
第5巻『終バスの女子高校生殺人事件』をご紹介いたしやしょう。
メインは藤田美保子演じる響圭子刑事。
ある日、響刑事は、バスの停留所で態度の悪い客に注意をする。
その姿を見た女子高生・三浦治子は、
毅然と正しいことをする響を姉のように慕い、警察官をめざす。
しかし、そんな治子が終列車の中で絞殺された。
乗客たちは口をつぐみ、誰も真実を語らない。
捜査を続けるGメンの前に次第に浮かび上がる事件の真相・・・。
少女はなぜ殺されたのか!?
酔っ払って他人に迷惑をかけるチンピラ。
見て見ぬ振りをする乗客。正義を貫こうと勇気を振り絞る少女。
勇気ある少女を見捨てる、常識ある人々……
次第に明らかになる事実の前で、響は勇気なき人間たちに怒りを覚える。
しかし、そんな彼女に対し、治子の祖父は言うのだ。
「あんたの勇気は、その警察証があったからじゃないのか?
そんなことを知らずに治子は、あんたの真似をして殺されたんじゃないのか?
治子を殺したのはお前だ!」
この作品は、たった1時間に多くのメッセージを含んでいる。
一つは、正しいこと正しく行う勇気のすばらしさ。
二つは、普段の人間にはそんな勇気がないのが普通だという事実。
三つには、勇気を行うには、それを行い得るだけの「力」がいるという現実。
だからこそ、治子の勇気はすばらしく、そして無力だった。
この事件で、治子を見捨てた乗客たちが勇者になることはないだろう。
彼らは、多分、さらに見て見ぬ民になっていく。
彼らにも家族や大切な者がおり、それを守るために自分のみを守らねばならない。
しかし!
しかし、これでいいのか、という問いかけがこの作品にはある。
答えのない問いである。
この乗客を自分に置き換えたとき、どうであろうか?
少なくとも絡まれている段階では
「いらんこと言うしや」と見てみぬふりをするだろう。
それは特別なことではないのだから。
とにかく前半のGメンはメッセージ性が強いドラマでした。
後味がよくない作品も多く、エンディングの『面影』『追想』を聴き終わると、
なんとも言えない世間の不合理への怒りや無情を感じるドラマでした。
ただ一話一話、非常に丁寧に作られた脚本と、
スタッフやキャストのがんばりは、
今見ても、まったく陳腐化していません。
おススメのシリーズです。
<参考>
▷ Gメン’75 (DVD全12巻/分売可能)
▷ Gメン’75 -Episode Best 80-(ブルーレイ全5巻/分売可能)