Now Music というお題には合わないのだが、ひそかに多くの人に聞いてもらいたい曲をご紹介。
吉幾三さんの『かあさんへ』。
吉幾三さんの名曲といえば『酒よ』『雪国』『津軽平野』・・・、コミックソングなら『俺はぜったい!プレスリー』『俺ら東京さ行ぐだ』などが人気だが、この曲は忘れられない。
ムチャクチャいい歌詞なのかよくわからない。
「かあさん」という言葉を連呼しているだけ、という印象の方もいるかもしれない。
ただ私は、ただただ、この歌を時折聴きたくなる。
私の母は今もおかげさまで健在だが、幼い頃、母は商売が大変で、父方の叔母がよく面倒を見てくれていた。
もう一人の母と云っても決して嘘ではない人だったし、小学校時代からの友人でも高校に上がる頃まで彼女が私の母だと思っていた人も多い。
昭和一桁後半の生まれだったし、お茶や日本舞踊の師匠でもあったから、古い人だったと思う。
叔母にはいろんな思いやいろんな後悔があって、ここには書くことができないが、吉さんの『かあさんへ』を聴くと、叔母に申し訳ないような、懐かしいような・・・とにかく今更どうしようもない思いが湧きあがってくる。
テクニカルな曲を評価する人は多い。
でもテクニカルなものを感じてしまううちはもしかすると心は揺れていないのかもしれない。
心が揺れてしまったら、そんな理屈はどうでもよくなってしまう。
それもいいと思う。