若い人ならけっこう多くの人が知っていると思う。
tuki.・・・たぶん女子高生だと思う・・・
顔は公表されていない。近頃時折ある覆面アーティスト。
この『15 / tiki. 』というデビューアルバムには、tuki.が15歳までに制作した曲が収録されている。
『晩餐歌』が今の代表曲だ。
“今の”と記したのは、彼女にはもっとたくさんいい曲を発表してほしいから。
tuki. の歌詞はどれもええカッコしていない。等身大で真っ直ぐに気持ちを綴っている。
素っ裸の自分を晒しているみたいなもので、これはけっこう怖いことだ。
彼女が顔を隠して活動しているのも、顔を隠すことで素直な自分の声を伝えることができるからかもしれない。
tuki. の声、というか歌も印象的だ。
一見、澄んでいて、少し冬の凍えのような涼やかさを感じるが、一方で切なさ抑えきれない叫びが隠している気がする。
明らかに絶叫などしていないのだが、懸命になにかを伝えようとしている・・・そんな気がする。
そして私などがその歌を聴くと、遠い昔を思い出し
「おじさんだって、おんなじ時代があったんやで」と言いたくなってしまう。
彼女が今伝えてくれた不安と期待と、反省と希望は、俺たちだって経験して、実は形を変えて今もけっこう抱えたまま走ってるんや、そんなことを言いたくなる。
あーっ!歌の説明は難しい。
とにかく若い人だけではなく、齢を重ねた人にも一度聴いてもらいたいアルバムです。
『晩餐歌』だけでなく、Abemaのドラマ挿入歌になった『サクラキミワタシ』、CMソングになった『月面着陸計画』『ひゅるりらぱっぱ』、などタイアップ曲も充実。
先日2月14日にMusic Videoが解禁になった『シーソー』もだれもが共有できる思い出を持っているはずです。
『晩餐歌』はいろんなところで紹介されていると思うので、tuki.には珍しいアップテンポ、歌舞いた一曲を紹介しておきます。
ヨッ!傾奇者!!!
ホンマ、いいアルバムですよ。