サザンオールスターズのニューアルバム『THANK YOU SO MUCH』が好調な出足だ(関連記事)。
10年ぶりのオリジナルと云うことで、サザンを簡単にご紹介。
ファンからは『紹介になっていない!』と叱られそうだが、お許しいただきたい。
サザンは、青山学院大学の軽音部を母体に、ヴォーカル&ギターの桑田佳祐、ベースの関口和之、ドラムスの松田弘、ヴォーカル&キーボードの原由子、パーカッションの野沢秀行、2001年に脱退したギターの大森隆志の6人で結成されたと聞いている。
1978年に『勝手にシンドバッド』でデビューし、翌年、『いとしのエリー』が大ヒット。
それ以来、時折活動休止をしたり、個人活動を挟みながら活動を続けている。
『チャコの海岸物語』『真夏の果実』『涙のキッス』『エロティカ・セブン』『愛の言霊』『TSUNAMI』『HOTEL PACIFIC』とヒットソングを連発。サザンオールスターズの名は日本音楽シーンに刻み込まれている。
サザンと云うと桑田さんの存在が際立つが、桑田さん自身は雑誌インタビューで、サザンはメンバーだけではなく数十人のスタッフを含めた総称、としたうえで
「みんなで楽しいことを共有する『音楽芸能集団』」と語られている。
確かに、サザンの音楽はロックだという人も多いが、実際に聴いてみるとジャズっぽい曲や、ファンクっぽいの、まさに歌謡曲という曲、ハードロックバリバリのもの、コミックソングなんかも多い。
正直、定型がないのがサザンという気がする。
あの曲調の多様性は一人の人間だけからでは出てこないのではないか、と思う。
たぶん・・・、桑田さんが持ち込んだ楽曲を、みんなでああだ、こうだ、音響などのスタッフも一緒に、一つ一つの曲を作り込んでおられるのだはないだろうか?
「ちょっと、こんな感じエエと思うから、やってみて!」
♪・・・♪・・・♪・・・
「まぁまぁやなあ。ほなこのへん、こうしたらどうやろ?」
青学出身とのことなので関西弁ではないだろうが、時には言い合いになりながら、でも長年のリスペクトは保ちつつ制作されているのかもしれない。
サザンはいろいろなチャリティにも協力されている。
今回のアルバム発売を機に、テレビマスコミはこぞってサザンのチャリティ活動や、社会活動を取り上げるだろう。
でもこれはサザンのよさや面白さ、素晴らしさを色褪せさせるような気がする。
チャリティも社会派メッセージも、サザンの本質ではないと私は思うのだ。
桑田さんが語られる『音楽芸能集団サザンオールスターズ』は、いつまでも未来永劫に新しい音楽、自分たちが好きな音楽、聴いてみたい音楽を探し続け、何歳になっても今の自分の音楽に満足できない、子供のような好奇心を抱えたプロの音楽集団
・・・というのが、今回のアルバム『THANK YOU SO MUCH』を聴いた現時点での私の感想だ。
マスコミよ!サザンを聖人に仕立て上げないでくださいね。
紹介する、って言ったって、演奏者でもなければレコード会社の社員でもない私では、結局こうなんちゃうか?のレベルだ。
だから、サザン未経験とか、あんまり聴いたことがないという方は、改めて聴いてもらえたらと思う。
本当はオリジナルアルバムの『KAMAKURA』とか『SAKURA』がオススメしたいが、先ほど確認したら工場段階で完売していた。残念!
ベストが2種類が発売されているので、ぜひそちらをまずはどうぞ。
■ サザンオールスターズ:ベスト全曲集『海のYeah!!』(CD2枚組)
■ サザンオールスターズ・ベスト全曲集2『海のOh,Yeah!!』(CD2枚組)
【LP盤】サザンオールスターズ / I AM YOUR SINGER(アナログレコード)
【LP盤】桑田佳祐ベスト全曲集『いつも何処かで』完全生産限定盤(アナログレコード4枚組)
【LP盤】桑田佳祐 / ヨシ子さん,大河の一滴,ほか(アナログレコード)
【LP盤】原由子/婦人の肖像~Portrait of a Lady~(アナログレコード2枚組)
もう1曲!これはサザンではなく桑田佳祐名義の作詞作曲だが、中村雅俊のヒットソング『恋人も濡れる街角』。
けっこうオススメ!
桑田さんのエロとバラードの美しさ、雅俊さんの粋が絶妙に混じり合っている。
ようこんな歌、表に出したなぁ。
これを堂々と当時の中村雅俊に提供する桑田さんも桑田さんだが、歌った雅俊さんも雅俊さんだ。
昭和は『粋なエロ』が楽しめる、大人の時代だったのかもしれません。
● 中村雅俊ベスト全曲集(CD)
● 中村雅俊・ドラマ主題歌&挿入歌集(CD2枚組)
● 男のバラード・ヒット (CD5枚組)