若き日の立川談志の落語

落語で語ってみた 笑いはともだち
落語で語ってみた

二回続けての落語ネタ、恐縮です。
近頃、立川談志師匠の若い頃の落語がお気に入りです。

人間的個性が並外れていた談志師匠。
よく荒唐無稽、破天荒と評す方もおられますが、私にはそうは思えません。
荒唐無稽そうに、破天荒そうに、見せようとされていた、そんな気がします。
1997年に食道癌を患われた際、記者会見で堂々と煙草を吸い、話題となりました。
が、毎月1回の定期検診には必ず通われていたといいます。
後年、喉頭癌に襲われますが、高座を続けられました。
噺家・立川談志を生涯をかけて演じられ、漫画のタイトルじゃないけれど『落語心中』されたのかもしれません。

談志師匠の落語、参議院議員をしたあたりから、社会批評や自身の哲学が大量に持ち込まれることになりました。
談志ファンには垂涎なのですが、平均値を生きている小生などには純粋に落語を楽しめない部分があります。

その点、若い時の作品は・・・単純におもしろい!
談志自身が「他の噺家の三倍話してるんだ」というシーンがあったが、とにかく喋りのピッチが速い。
『源平(源平盛衰記)』なんて、一席聴いたらお腹いっぱいだ。
講談あり、川柳あり、都々逸あり、楽以外の要素もたっぷり折込み、それでいて、きちっと壇之浦まで語ってくれる。

32歳の立川談志 落語と講談(2CD)

32歳の立川談志 落語と講談(2CD)

今回、聴いた『寝床』は32歳の音源だが、とにかく面白い。
登場人物がくっきりと浮かび上がってくる。
上機嫌で浄瑠璃会の準備をする旦那さん。
旦那さんはいい人だと思うけど、下手で長い浄瑠璃だけは勘弁してくれと、なんだかんだ欠席理由を仕立て上げる長屋の衆。
割を食うのはお使いを頼まれた丁稚さん。
徐々に機嫌が悪くなる旦那さんに「おまえは会に出るんだね」と念を押され、おふくろを独り残して・・・と涙にくれる。

聴けば死に至るってどんな浄瑠璃やねん!
ギルの笛か!!!(わからん人ゴメンナサイ)

談志師匠は落語だけでなく、講談や漫談、舞踊なども一通りされていたようです。
師匠の五代目・柳家小さん師匠は剣道・範士七段で居合道や宮本武蔵の二天一流にも精通されていたと聞きます。
一芸バカはダメと思われていたかもしれませんし、豊富な芸域が落語にもよい影響を与えると思われていたのかもしれません。

 

兎に角、談志師匠のご年配になってからの落語しか聴いたことがないあなた!
一度、師匠の若いときの落語を聞いてみてください。
オススメは『源平』『寝床』『野ざらし(上方落語では骨釣り)』『目黒のさんま』『蒟蒻問答(上方では八五郎坊主)』など。
『らくだ』も捨てがたい!
これは!と目を剝きますよ。


立川流落語はこちら(談志、志の輔、談春、志らく、談笑など)