1970年代、まだ家庭用ビデオデッキが普及していなかった時代。
夏休みには子供向けの映画がけっこう放映された。
まず東宝は『ゴジラ』シリ-ズ。
初代ゴジラは核問題も絡めた大人も楽しめるモンスター映画だったが、次第にゴジラがヒーロー化。
この頃には地球侵略を狙う悪の怪獣を正義の怪獣ゴジラがやっつけるという形態だった。
長編アニメといえばディズニー映画。
今のように毎年、新作が出たわけではなかったと思う。
ディズニークラシックの名作が手を変え、品を変え上映されていた。
ジブリ映画はまだない。
『チリンの鈴』や『ユニコ』『親子ネズミの冒険』などのサンリオもまだ登場しない。
凄かったのが東映。
『東映まんがまつり』と題して、通しで約3時間弱。
アニメだけでなく、特撮やキッズ番組も含め、6作ぐらいを次々と上映していた。
タイトルの『まんが』はアニメのこと。
年配の人がアニメのことを『まんが』というのを聞いたことはないだろうか?
あの発言はここに起源がある。
当時の印象では『東映まんがまつり』は2作ぐらいのオリジナルと、テレビ版の再上映の組み合わせと思っていたが、改めて調べてみると少し違った。
TV放映済の再上映もBlow Up版としてアレンジされていたらしい。
Blow Up版と云うのは、元のバージョンの画質や音質をグレードUPしたり、未公開映像や補充映像を追加したもの。
子供向けと割り切っていても、手を抜かない。当時のアニメーターや製作スタッフのプロ意識を感じる。
また『長靴をはいたネコ・ペロ』はその愛くるしいキャラクターが人気になり、シリーズ化!
遂には制作会社のシンボルマークにまで出世した。
手塚プロのアトムや、サンリオのキティちゃん、任天堂のマリオ、ポケモンのピカチュー、ジブリのトトロなど、日本のキャラクター想像力は世界でもダントツだと云えるだろう。
まぁ、天下一のキャラ、ミッキーマウスにはまだまだ届かないかもしれないが・・・。
今考えると、親たちはよく子供の映画鑑賞に3時間もつき合ってくれたものだ。
うちは商売人で共働きだったけど、祖父や叔母が連れて行ってくれたり、近所のおじさんやおばさんに連れて行ってもらったこともあった気がする。
科学は今より遅れてて、無駄も多い時代だったけど、どこかゆとりがあったのかもしれない。
現代社会はタイパやコスパにこだわる人も多いが、ほんとに今が昔より流した汗や時間に十分な幸せを得られているのか、
それとも懐かしさの幻想なのか、よくわからない気がする。