韓国人歌手と云えば『羅勲児(ナフナ)』でしょ!

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わかってます!

韓国歌手と云えば?と尋ねられれば、
第一はBTS(防弾少年団)BLACKPINKNewJeans・・・。
少し前ならKARA、もう少し前なら東方神起BOA・・・。
キム・ヨンジャはまだしも、羅勲児桂銀淑チョー・ヨンピル・・・「だれやねん、それ!」という若い人も多いでしょ。
でもやっぱり小生的には羅勲児さんは外せんのです。

羅勲児-ナフナ-ベスト全曲集(CD)

羅勲児-ナフナ-ベスト全曲集(CD)

羅勲児ベスト全曲集

羅勲児は1947年に釜山で生まれています。
日本デビュー曲『みなと恋唄』は1985年の発売ですから、30代後半に日本での活動を開始しています。
韓国では『トロットの帝王』と呼ばれたそうです。
トロットと云うのは日本の演歌とよく似ているそうで、哀愁を帯びたメロディーに乗せて、愛や別れ、人生の悲哀を感情豊かに歌い上げます。
個人的感想ですが、小生が聞いた範囲では羅勲児の歌はまるでソウル。
魂をぶつけるような、「聴かせる」というより「伝える」に近い。

ここ数年会ってないが、ブラジルやアフリカの音楽をいろいろ教えてくれる友人がいた。
彼の家に泊めてもらった際、一緒に聴こうと持ち出してきたCDが新井英一の『清河への道』だ。
新井英一はブルースやシャンソン、フォークを融合したONLY ONEの音楽スタイルで知られる。一方で彼自身は韓国人の父と、日本と朝鮮籍のハーフの母の間に生まれた3quartersだった。

友人が持ち出した『清河への道~48番』は日本レコード大賞アルバム賞を受賞した名盤だ。
新井英一のルーツであり、アイデンティティ、韓国・清河への旅を描いた30分以上の長編、壮大な叙事詩的楽曲。
聴いたとき、理由は兎も角、本来いるべき故郷を離れて生きる民族の思いの一端に触れた気がした。
朝鮮民族だけでなく、ユダヤも、パレスチナも、クルドも、華僑も、ブラジルやペルーの日系人も・・・わかるなんて軽々しく言えないが、思いの存在を理屈じゃなく『感じる』アルバムだった。

羅勲児の歌には、それと同じ香りがする。
民族へのアイデンティティ、生き様や死にざまへの問い、生まれながらに異なる価値観が、やはり歌声に映り込む。

近年のエンターティメント界は、やたらポリコレ=ポリティカル・コレクトネスにこだわる傾向がある。
もちろん差別はよくない。
でも区別はある。
私たちは異なる文化で生き、異なる価値観で育ち、異なる「今」を生きている。一緒ではないのだ。
一方で異なる価値観から生まれようが、異なる背景を持っていようが、いいものは言い、好きなものは好き、同時にダメなものはダメ、きちんと伝えられることを大事にしたいと、私は思うのだが、やはり時代遅れなのだろうか?

あかん!!!熱なりすぎた・・・一レコード屋の親父があんまり大きなこというても始まらん。

せやけど羅勲児の魂のソウルは、やっぱりいい。
違う土壌の上に咲いても、ええものはええ。
韓国の音楽にはこんな曲もあるんだって、K-POPファンの人にも一度ぐらいは聴いてほしいです。

(ちなみに小生、キム・ランヒさんの『あんたの大阪』も大好きです! こっちも一度聴いてみてネ)